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うつ抜けのきっかけは「1日5分」から。私が毎日続けた、心が軽くなるセルフ認知行動療法の小さな習慣3選

こんにちは、Ericaです。

うつ病の渦中にいる時、朝、目が覚めるのが絶望的に辛かったり、夜、布団に入ると不安で胸が押しつぶされそうになったり…。そんな経験はありませんか?

「何か始めなきゃ」と焦る気持ちとは裏腹に、体も心も鉛のように重たくて、何も手につかない。そんな自分を責めて、さらに落ち込んでしまう。

かつての私が、まさにそうでした。

でも、そんな暗闇の中で、ほんの少しだけ私を前向きにしてくれたものがあります。それが、「1日5分」から始められる、認知行動療法(CBT)の小さな習慣でした。

今回は、専門書のような難しい話は一切なし。私が実際に毎日続けて、うつから抜け出す大きなきっかけになった、3つのシンプルな習慣をご紹介します。

【朝の習慣】1分で完了。「気分測定ジャーナル」

うつ状態の時、自分の気分は常に「最悪」のどん底だと感じていました。でも、本当にそうだったのでしょうか?

やり方: 朝起きたら、まずノートを開いて、2つのことだけを書きます。

  1. 今日の気分は何点?(10点満点)
  2. どうしてそう感じる?(一言でOK)

これだけです。

私の実例ノート:

  • 9/1:【2点】昨日も眠れなかった。体が重い。
  • 9/2:【3点】少しだけ眠れた気がする。でもやっぱり不安。
  • 9/3:【2点】朝から雨。気分も沈む。
  • 9/4:【4点】久しぶりに晴れ。少しだけ、散歩してみようかなと思えた。

効果: これを続けると、「ずっと最悪」だと思っていた自分の気分に、実は小さな「波」があることに気づけます。「晴れの日は少し気分が良いのかも」「よく眠れた次の日は少しマシだな」といった客観的なデータが取れるのです。

この小さな気づきが、「自分はダメなままじゃない、少しずつ変化しているんだ」という、ささやかな希望に繋がりました。

【夜の習慣】2分で完了。「3つの良かったこと探し」

うつ病の脳は、自然とネガティブなことばかりに目が行きがちです。「今日も何もできなかった」「また迷惑をかけてしまった」と、自分を責める材料ばかり集めてしまいます。

やり方: 寝る前に、その日あった「良かったこと」を3つ、無理やりにでも探し出して書き出します。

私の実例ノート:

  • コンビニの店員さんが優しかった。
  • 道端に咲いていた花が綺麗だった。
  • 淹れた紅茶が美味しかった。

効果: どんなに些細なことでも構いません。この習慣の目的は、脳の「ネガティブ思考のクセ」を、「ポジティブなものを探すクセ」に少しずつ上書きしていくことです。

最初は何も思いつかなくても、続けていくうちに、日中から「夜、ノートに書くネタはないかな?」と、無意識に良いことを探している自分に気づくはずです。

【日中の習慣】2分で完了。「不安のキャラクター化」

日中、突然理由もなく不安な気持ちに襲われることはありませんか?その「ぐるぐる思考」に一度ハマると、なかなか抜け出せません。

やり方: 頭の中に湧いてきた不安な気持ちに、名前をつけてキャラクター化します。私の場合は「不安くん」でした。

そして、不安が襲ってきたら、心の中でこう声をかけるのです。

「やあ、不安くん、また来たんだね。いつもご苦労さま。でも、今のところ大丈夫そうだから、少し隅っこで休んでいてくれるかな?」

効果: これは、認知行動療法で「脱フュージョン」と呼ばれるテクニックの応用です。不安な思考と自分自身を一体化させる(フュージョン)のではなく、「不安くん」という別人格として切り離すことで、思考の渦に飲み込まれるのを防ぎます。

馬鹿げているように聞こえるかもしれませんが、これが驚くほど効果がありました。不安を客観視できるようになり、少しだけ冷静さを取り戻すことができるのです。

おわりに - 大きな一歩より、小さな一歩の積み重ねを

今回ご紹介した3つの習慣は、全部合わせてもたったの5分です。

うつからの回復に必要なのは、気合を入れた大きな一歩ではありません。今日できた、明日もできた、という「小さな成功体験」を、お守りのように一つひとつ大切に拾い集めていくことです。

もしあなたが今、暗闇の中にいると感じているのなら、どうか自分を責めないでください。まずはこの中のどれか一つでもいい。「これならできそう」と思えるものがあったなら、ぜひ試してみてください。

その小さな一歩が、あなたの明日を今日より少しだけ、明るいものにしてくれると信じています。